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肥満とBMI算出法、および脂肪細胞について

 

肥満とBMI(body mass index)


 BMI = 体重(kg) ÷ { 身長(m) × 身長(m) }

 日本ではBMI22を理想体重(標準体重)、BMI25以上を肥満症としています。
 肥満者の割合は、2000年の統計では、成人男子26.8%、成人女子21.3%と報告されています。 日本人では、BMIが25を越えると、 糖尿病、高血圧症、高脂血症、動脈硬化症などの発症頻度が高まります。
 このように、肥満症はアンチエイジング医療の「敵」といえるわけで、早期に治療する必要があります。 さらに、最近 日本では「睡眠時無呼吸症候群」と呼ばれる病気が注目を集めています。 主に太りすぎが原因で、気道が 狭まり、無呼吸状態となって睡眠が妨げられる病気です。 この疾病も肥満症が明らかな原因なので、“やせる”治療が必要となります。


 

脂肪細胞とは


 もともと脂肪細胞は、エネルギーを中性脂肪として取り込み、ためておく機能を持っています。 エネルギーが足りない状態(飢餓状態、 空腹時)になると、脂肪細胞は中性脂肪を放出して肝臓や筋肉で使われるエネルギー源を補充します。 このように、脂肪細胞 はエネルギーの倉庫としての役割を果たしているのです。
 ところが最近、脂肪細胞が内分泌臓器として種々の生理物質を分泌していることがわかってきました。 この生理物質は、 善玉物質と悪玉物質に分けられ、善玉物質の代表であるアディポネクチンは糖尿病や動脈硬化を 抑制する働きがあります。
 また、食事刺激によってレプチンが脂肪細胞から放出され、「満腹になりました」というシグナルを脳に伝え、食事を 終了します。
 肥満になると脂肪細胞は肥大化することがわかっていますが、肥大化すると、腫瘍壊死因子(TNFα)、レジスチン、FFAなどの悪玉因子が 放出され、糖尿病や動脈硬化を起こしやすくなります。 また、肥大化した脂肪細胞からは、アディポネクチンなどの善玉物質の分泌は逆に 低下することがわかってきました。
 すなわち、肥満症では肥満細胞が増大し、体にとって有害な物質を多く放出し、有益な物質は分泌されなくなるわけです。
 このようにして、肥満症は糖尿病、動脈硬化症、高血圧症などの生活習慣病の原因となります。 まさに肥満は アンチエイジング医療の憎むべき敵であるわけです。


肥満症の治療

体重日内変動日誌の作成


 ダイエットを始めた日から、1日4回(起床直後、朝食直後、夕食直後、就寝直前)体重を記録したグラフを作成していきましょう。 こうすれば、 急に体重が増加した時、なぜ太ってしまったのか、その原因が理解しやすくなります。 このような理解によって、体重減少後のリバウンドを防ぐ ことができます。
 大切なことは、自分自身が納得してはじめて、適切なダイエットが可能になるということです。


食べ方の工夫


 肥満症の人の食行動には特徴があります。

・早食い
・まとめ食い
・ながら食い
・代理摂食:ストレス解消に食べる間食、夜間の摂食
・自分で食べたと思っている量より実際の摂取量が多い。 あるいは気づかないうちに食べている。

このような食行動の特徴を理解し、これと逆の食べ方を工夫してみましょう。

・一口20回以上の咀嚼回数でゆっくり食べましょう。
・自分の周りに食べ物を置かない、余分なものは買わない。
・間食をしない、甘いものを食べない。
・医師や周りの人のサポートも必要です

 おなかがすいた時には、“今まさに脂肪が解けている”と考えて、喜びの気持ちを持ってください。 空腹感を楽しめればしめたものです。


減量食


 1日の摂取エネルギーを標準体重×25kcalに設定しましょう。
 現在の自分の体重ではなく、標準体重です。
 標準体重は、(身長(cm)−100)×0.9で算出されます。 身長160cm、体重80kgの人の標準体重は、 (160−100)×0.9=54kgとなります。 したがって、この方の1日の摂取エネルギーは、54×25=1350kcalとなります。 かなり少ない カロリーですが、このカロリーで我慢してがんばれば、必ずやせることができます。

 上記の摂取エネルギー量は、普通の生活時の代謝量に相当しますので、この摂取エネルギー量で、適当な運動が加われば、必ずやせることが できます。
 栄養のバランスについては、食生活でのアンチエイジング を参考にしてください。 脂質は20%、糖質(でんぷん類)は50%程度、タンパク質は70〜100g程度に調整しましょう。 そのほかにビタミン なども摂取し、バランスのよい食生活にすることが大切です。


超低エネルギー食(VLCD療法)


 超低エネルギー食(VLCD)療法は、1日の摂取エネルギーを600kcal以下に制限した、半飢餓状態の 食事療法です。
 食事は、必須アミノ酸を含むタンパク質50〜60g、糖質20〜50gと、ビタミン、ミネラルなど必須のものを加えた組成になっています。 この 治療の減量効果は確かにすぐれたもので、1ヶ月間に約7〜10kgの原料が可能となります。
 しかし、この治療は、自分の判断で実施することは危険です。 特に、心臓、肝臓、腎臓に重い病気のある人は決して 実施してはいけません。 高度の肥満の人で、医療機関で十分な検診を受け、医師の監視の元にある人のみが実施できる治療であると 考えるべきものです。 治療期間は通常4週で、長くとも8週以内にとどめましょう。
 ところで、一般的には、VLCD療法の「不完全法」がむしろ広く実施されています
 この方法は、一般の食事とVLCD治療を組み合わせたものです。 1日1〜2回、調合されたVLCD食を1袋(160〜180kcal)摂取し、 残りの1〜2回は一般食を200〜500kcalの範囲でとる方法です。 これですと、実施も容易で危険もほとんどありませんが、効果は弱く、 1ヶ月あたり2〜3kgの減量が期待できます。 まず試みるなら、この方法がよいでしょう。
 しかし、大切なことは、リバウンドを起こさないようにすることです。 この治療法の終了後も、総エネルギーの管理と毎日の体重測定を 欠かさないことがポイントです。 せっかくの減量をむだにしないようにしなければなりません。
 現在、超低エネルギー食(VLCD)は商品化され(マイクロダイエットなど)、一般に広く使用されています。


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運動療法


 運動療法は、単に運動を行ってエネルギーを消費するのみでなく、運動することによって、細胞内の代謝回転がよくなり、より効率的な エネルギーの利用が可能になるという点が重要です。
 また、十分な運動を行うと、脂肪細胞から脂肪が動員され、エネルギー源となることによって、脂肪分の減量が期待できる のです。
 このように、運動療法は脂肪分の分解が目的であるため、脂肪が代謝されるような運動をしなければなりません。 すなわち、 短時間の瞬発力を使う嫌気的な運動ではなく、長時間の有酸素運動が必要になります。 たとえば、無理をせず汗を流す程度の 40分間異常のウォーキングがその代表です。 運動を始めて15分間はブドウ糖とグリコーゲンが運動のエネルギーに使われます(嫌気的解糖)。  15分を過ぎるとアミノ酸がエネルギー源に加わり、30分以上の運動で血液中の脂肪酸(脂肪分)がエネルギーとして消費されるようになる のです(好気的解糖)。 体の脂肪は、脂肪分をエネルギーとして燃やす運動を行ってはじめて減るのです。

◆運動療法のまとめ
・ウォーキング、ジョギング、体操、自転車エルゴメーター、水泳など、有酸素運動をできるかぎり毎日行う。 できれば40分以上が望ましい。
・運動の強さは軽く汗をかく程度に
・日常生活に運動を取り入れる(できるだけ階段で昇降する、通勤時にできるだけ歩く、ストレッチ体操を1日何回も実施する)

毎日の運動療法と減食療法(ダイエット)を組み合わせてはじめて理想的にやせることが可能になります。


サプリメント療法


 サプリメント療法については、ダイエットサプリメントをご覧ください。




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