メラトニンは、生理的に日が暮れると分泌が盛んになり、朝、日が昇ると急速に分泌が低下するという日内変動をするホルモンです。
つまり、私たちがぐっすりと眠るパターンを、メラトニンの分泌がコントロールしているのです。 また、このメラトニンの分泌が刺激となり、成長
ホルモンなど、体内の細胞をつくるタンパク同化ホルモンの分泌も始まります。 さらに、胸腺を刺激して特殊なリンパ球(T細胞)の生成も促し、
体の免疫能、抵抗力を高める基礎をつくってくれます。
メラトニンは、10代にピークを迎え、その後急速に低下します。 50代以降では、10代の10分の1以下になります。 私たちは子供の頃、
1日12時間くらい寝た記憶がありますが、40代以降になりますと、どんなに疲れていても、朝決まった時間に起きてしまいます。 この現象は、
メラトニンの急速な減少で説明できるわけです。
ですから、理論的には、メラトニンを服用すると、子供の頃の深〜い眠りがよみがえるわけです。 また、メラトニンの力によって、体の同化作用
や免疫力も高まることが期待できます。 したがって、メラトニン補充療法は、ただ単に睡眠薬の代用品ではなく、種々のアンチエイジング
(抗加齢)的効果も期待されるのです。
本来の良質な睡眠は、レム睡眠(夢を見る時間帯)とノンレム睡眠(熟睡する時間帯)を5〜6回繰り返していますが、通常使用されている
睡眠薬は、レム睡眠を弱める働きをします。 一方、メラトニンを内服すると、レム睡眠も十分出現し、よく夢を見るという印象になるようです。
そして、この「夢を見る」ということが、脳の記憶の強化につながり、知力や記憶力の維持、向上に寄与していると
考えられています。
・メラトニン投与によって、ノンレム・レム睡眠という生理的な睡眠サイクルがつくれます。
・メラトニンは時差ぼけに有効です。
・強力な抗酸化作用があります。
・強力な免疫力増加作用があります。
・がんの抑制効果、特に乳がんでは信頼度の高いデータが得られています。
・コレステロール低下作用があります。
・抗うつ作用があります。
・抗ボケ作用があります。
このように、メラトニン補充療法には、ただ睡眠を促す効果のみでなく、いろいろな効果が認められています。
では、メラトニン投与によって問題点はないのでしょうか?
・メラトニン投与によって、眠気の持続、睡眠パターンの変化、精神状態の変化、認識力の低下、頻脈、ほてり、かゆみ、腹痛、頭痛、
低体温などの副作用が報告されています。
・メラトニンは、経口摂取した場合、一般的に腸管からの吸収率は悪く、また、吸収されたメラトニンは肝臓で急速に代謝されます。
従って、個人個人によってその適量が異なり、各人の適切な投与量の決め方が難しい傾向にあります。
・メラトニン内服によって、レム睡眠が起きやすくなりますが、人によっては悪い夢を見やすくなる傾向もあります。
メラトニンは、体に生理的に存在している睡眠導入物質ですので、適量投与であれば、体に副作用が出現する可能性はほとんどないと
思われます。
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