老化とは
1.さびることである。(酸化作用)
2.しぼむことである。(内分泌ホルモンの減少)
3.心がすさむことである。(精神的な風化)
という3つの言葉で言い表されるという説があります。
「さびる」とは、体の細胞が活性酸素という悪玉酸素によって酸化する(さびる)ことを言います。 がんの出現も、
DNAや遺伝子の酸化が引き金になりますし、動脈硬化も血管内皮細胞の酸化から始まります。
「しぼむ」とは、年とともにある種の内分泌ホルモンの分泌が低下し、その影響で体の筋肉、水分が減り、脂肪が
増えていく現象です。
「すさむ」とは、こころがすさむ、すなわち生きがいを失い、「うつ」っぽくなることです。
これらについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

さびるとは、上記したように生体内に取り込んだ活性酸素という悪玉酸素により酸化作用が起こり、常にさびが進行していく状態をいいます。
この活性酸素は、私たちの通常の呼吸によって発生(呼吸している酸素の2〜3%)し、激しい運動をしていると、より多くの酸素を消費するため、
活性酸素も多く発生してしまいます。 この活性酸素は、体内で殺菌作用などのプラスの役割もしますが、過剰に発生すると、非常に有害な
酸化剤となってしまうのです。
また、体内には活性酸素以外にも有害な酸化物質が発生しています。 これらを総称して「フリーラジカル」といいます。 フリーラジカルは、
通常より1つ電子を余分に持っているため、ほかの物質とすぐに反応しようとラジカル(過激)な動きで暴れまわるのでこう呼ばれています。
ただし、われわれの体には、この活性酸素やフリーラジカルに対する防御システムがもともと備わっています。 このシステムを維持する
物質が「抗酸化剤」と呼ばれ、
ビタミンA
ビタミンC
ビタミンE
コエンザイムQ10
などが抗酸化物質としてよく知られているものなのです。
実年齢を重ねるに従い、体内のホルモン分泌は減少していきます。 そして、これらのホルモンの分泌が40以降にある一定レベルを
下回ると次のような症状が現れてくるのです。
・エネルギーの低下
・運動能力や筋力の弱体化
・性的ときめきや、精力の低下
・精神的な鋭さの低下
・視覚能力の低下
・脂肪を含まない筋肉の減少
・骨粗しょう症の傾向
・皮膚の張りや柔軟性の減少
まさに老化そのものですね。
また逆に、ストレスの多い人生が続くと、ストレスホルモン(副腎皮質ホルモン:コルチゾール)が多量に分泌され、体の免疫力の低下や
筋肉の弱体化、さらに体脂肪の増加が引き起こされ、いわゆる中年の体型になってしまうのです。
年齢とともに変化する代表的なホルモンは次のものです。
◆加齢とともに低下するホルモン
・メラトニン
・ヒト成長ホルモン(hGH)、IGF-1(ソマトメジンC)
・DHEA
・エストロゲン、プロゲステロン(女性ホルモン)
・テストステロン(男性ホルモン)
・甲状腺ホルモン
◆加齢とともに増加するホルモン
・コルチゾール(副腎皮質ホルモン)
・TSH(甲状腺刺激ホルモン)
・FSH、LH(性腺刺激ホルモン)
・インスリン(インスリン抵抗性に)
・レプチン(肥満ホルモン、レプチン抵抗性に)
・ホモシステイン(アミノ酸、動脈硬化促進因子)
◆メラトニン
脳の松果体から分泌されるホルモンで、体内時計を介して、脳のタイムキーパーの役割を果たしています。
強力な抗酸化作用、免疫力を高める作用があり、コレステロール値を下げたり、がんの予防やその治療にも大いに効果があることがわかってきています。
◆ヒト成長ホルモン(hGH)
睡眠中に視床下部から送られる促進と抑制のシグナルに反応して、脳下垂体で生成、分泌されるホルモンです。
このホルモンの刺激でつくられるIGF-1と二人三脚で組織、骨、軟骨、筋肉、皮膚、肝臓、腎臓の成長をつかさどります。
また、免疫システムや心臓の出力を強化したり、しわを減らす、視力をよくする、記憶力を高めるなどの働きもあります。
◆DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)
テストステロン、エストロゲン、プロゲステロンなど副腎でつくられるすべてのホルモンの源になる物質です。
これらのホルモンは、健康の維持や脂肪の燃焼による筋肉の維持、性ホルモンの安定的な維持、老化の防止、ミネラルバランスの維持といった
重要な働きをします。
DHEA自体にも体の筋肉を増やし、脂肪を減らす効果、抗糖尿病作用、免疫力を高める作用、抗腫瘍作用があります。
◆エストラジオール(女性ホルモン)
エストラジオールはエストロン、エストリールとともに、エストロゲンと総称される女性ホルモンです。
女性らしさをつくる大切なホルモンですが、閉経時期にほとんど産生がみられなくなり、女性にみられる骨粗しょう症早期発症の原因となります。
◆テストステロン(男性ホルモン)
テストステロンは、精巣の間質細胞で産生される男性ホルモンで、いわゆる男性の特性を亢進させる働きをします。
◆コルチゾール(副腎皮質ホルモン)
コルチゾールは、もっとも代表的な副腎皮質ホルモンです。 ストレスホルモンとも呼ばれ、ストレス時に大量に放出され、ストレスに対抗する
力の源になります。 主な作用は、生体組織の異化作用(体を壊す作用)、抗炎症作用、免疫抑制作用、高血糖作用などです。
しかし、過剰のコルチゾールに長期間暴露されることにより、体にとって不都合な面も多く出てきます。
◆レプチン
レプチンは、別名「肥満ホルモン」と呼ばれる脂肪細胞から分泌されるホルモンです。 食べ物が十分に入り、結果として脂肪細胞が脂肪を
取り込んで満杯になると、このレプチンが分泌され、脳内の満腹中枢に刺激を与え、食欲を低下させるとともに脂肪細胞にも作用して、
エネルギー代謝の増大をも促します。
人間の精神活動は、単なる「脳の活動」ではなく、いろいろな臓器や器官の生理活動と密接に関連しているといわれています。
年をとることによって、老化現象が進むだけでなく、それに伴った社会的・家庭的変化が精神的なストレスや脱力感を発生させると、
老化は一気に加速することになります。
抗加齢医療の観点からも、加齢に対抗しながら健康を維持するためには、健全な精神活動を保つことはきわめて重要です。
「病は気から」という格言どおり、病気に対抗するためばかりでなく、健康を維持しながら加齢や老化に対抗するためには、健全で
調和のとれた精神活動、すなわち「こころ」の安定はきわめて重要なファクターとなるのです。
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